ワード:幽霊、ヘッドホン、ロリ
(1)ちょっと今度さやかちゃんっていう女の子と心霊スポットに行くことになったんだけど、そこが過去に焼身自殺があったとされるトンネルでさあ。
(2)うん。
(1)でも俺あんまり怖いの得意じゃないからここでシミュレーションさせてもらってもいい?
(2)あ、いいよ。じゃあ俺がそのお前と一緒に心霊スポットに行くさやかちゃんの役をやればいいのね?
(1)そうそう。助かるわ。
(2)ここが噂のトンネルか〜。入ってみよ。ガラガラガラ、やってる?(暖簾を上げるフリ)
(1)そんなトンネルねえだろ。
(2)いや、でもトンネルってだけしか情報がないからもしかしたら暖簾くらいかかってるかなって。
(1)なんだ暖簾かかってるトンネルって。聞いたことねえだろ。
(2)あ、ほんと?
(1)うん。あとさやかちゃんは「やってる?」とか言うようなへべれけおじさんみたいな子じゃないから。
(2)どんな子なの?
(1)普通の今時の女の子。
(2)ロリ巨乳の?
(1)そこはどうでもいいだろ。いいからちゃんとやって。
(2)ここが噂のトンネルか〜。なんか不気味だね。
(1)うん。そうだね。先進んでみようか。
(2)あれ、なんか霊の気配感じる。。。
(1)え、さやかちゃんそういうの分かるんだ。
(2)うん。専門学校通ってたから。
(1)そんなのあるんだ。怪しっ。
(2)あ、あれ見て!早速霊がいたわ。
(1)え!?どこに幽霊いるの?
(2)あー違う違う。あそこにいるのは幽霊じゃなくて檀れいの方。
(1)あ、そっちの「れい」!?
(2)れい違いだったね。
(1)そんな日本語初めて聞いたけど。え、ってか檀れいってあの女優の?
(2)うん。あれは絶対本人よ。本名が「山崎まゆみ」でお馴染みの檀れいに間違いないわ。
(1)いやお馴染んでねえよ。多分檀れいさんの本名が山崎まゆみだってことは誰も知らないから。
(2)えーでも人に紹介する時絶対そう言うけどね。
(1)なんだ人に紹介する時って。お前如きが紹介しなくても檀れいくらいみんな知ってるわ。
(2)あ、そうか。あ!あっちの方にも霊がいるわ!
(1)え!ほんとに!?
(2)今度は集団よ。
(1)集団?
(2)マダムたちが集団でボールをトスしたりレシーブしたりしてるわ。
(1)ど、どういうこと?たくさんのマダムの幽霊ってこと?
(2)違う。ママさんバレーよ。
(1)なんでだよ!なんで心霊スポットのトンネル来てマダムといっぱい出会わなくちゃいけねえんだよ。
(2)あ、あっちのガンダムがある方にも気配するわ。
(1)おいなんでガンダムがあるんだよ!トンネルの中に!
(2)ちょっと行ってくる。
(1)え!ガンダム登っていくの?ってかガンダムでレイって言ったらアムロレイじゃない?絶対アムロレイいるでしょ!
(2)おい!いるんだろ!開けろ!(窓を叩き窓が開いて殴る)
(1)おい殴った!親父にも殴られたことないのに!
(2)よしこれで安心ね。
(1)安心ねじゃないのよ。なんでアムロ殴っちゃうの。可哀想じゃん。
(2)アムロ?なんの話?
(1)え?なんの話って、ガンダムの中にアムロレイがいたんじゃないの?
(2)いや違うよ。
(1)えじゃあ何がいたの?
(2)人間の欲望。
(1)は?
(2)人の欲望が集まって、ガンダムを動かしていたの。
(1)ちょっと意味わかんないわ。
(2)だから結局人類の進歩っていうのは何かの犠牲の上に成り立っていて、そうやって私たちは一歩ずつ進むたびに人間らしさを失われていってるの。それを具現化したのがガンダムってわけ。
(1)あ、ちょっと待ってよ。じゃあさやかちゃんは一体何を殴ったんだよ。
(2)聞きたい?
(1)うん。
(2)加藤紗里。
(1)いやどういうことだよ。
(2)なんかヘッドホン首に付けて観客ぶち上げてたから。
(1)え、クラブ?ガンダムの中ってそんなパーティピーポー専用なの?ってか今までの人類の進歩とかそういう話はどこいったのよ!
(2)あれはただの私の思想じゃない。
(1)なんで急に強めの思想言い出すんだよ。思想強い女の子と心霊スポット行きたくねえわ。
(2)これで当日バッチリだな。
(1)いやもういいよ。