炒飯小説
「チャーハンがこの世で1番美味いかも。」
男はそう思いながら余ったご飯をまたひき肉とレタスの入ったフライパンに落とす。
男はおもむろに卵を三つかき混ぜ、まだ火の届いてない真っ白なご飯をまるで太陽に焼き尽くされたかの如く黄色く染める。
男は知っていた。
いくら卵を入れたとて、味は濃くならないことを。
それでもひたすら炒め続ける。
たとえ胡椒があらずとも。
ひき肉に醤油かけるの忘れていようとも。
さっき真っ白なご飯って言ったけど実際は底の方がちょっと焦げて元から黄色くなっていようとも。
そして盛り付ける皿も買わず、フライパンのままそそくさと平らげる。。。
男は知らなかった。
後日冷凍チャーハンの美味さに身悶えることを。