怖い話
ワード:狼、ホクロ、ゾンビ
(1)いや〜夏だね。
(2)まだ早えよ。
(1)こんな暑い時は怖い話に限る。
(2)だからそんな暑くないけどね。でも怖い話は俺興味あるわ。なんかあるの?
(1)あ、じゃあ話していい?
(2)うんいいよ。
(1)これはね、僕が実際に体験した話なんですけど。
(2)おう実体験なんだ。
(1)まあその日は女の子と夜道を歩いてたんですよ。
(2)ほう。
(1)あ、でまあちなみに言うとその女の子っていうのは顔はそんなに可愛くないけどちょっとモテるみたいな。
(2)まあまあまあ。
(1)なんかいるじゃん、性格のおかげで顔に勝手に補正かかる女の子。その子めっちゃ顔にホクロあるし背中の体毛が濃すぎてタトゥー入ってるって勘違いされたことあるんだけど。
(2)そこどうでもいいよ。そんなに女の子の情報いらんから。
(1)あ、そう。まあまあ2人で歩いてて。そしたら道に髪の長い赤い服着た女の人が立ってたのよ。
(2)おん。
(1)で、なんか髪の毛で顔が見えないからちょっと不気味だな〜って一緒に歩いてた女の子と喋りながらまあそこは普通に素通りしたんだけど、またしばらく歩いてたらさっきとおんなじような赤い服の女の人が今度は違うところに立ってるのよ。
(2)え、どういうこと。
(1)で、まあ俺たちさっき素通りして追い越されてないし、その道は一本道だから違う道からも追い抜けるはずがないのよ。
(2)おうおうそれで?
(1)だからちょっと怖くなって一緒に歩いてた女の子に「ちょっと怖いから早く帰ろうか。」って言ったらその女の子が突然立ち止まって。
(2)え、なに。
(1)で、赤い服の女がこっちに向かって歩き出したのよ。
(2)うわこわ!
(1)で、その赤い服の女の顔が一瞬チラッと見えたんだけど、その顔が横で一緒に歩いてたら女の子の顔と一緒なの!
(2)え!
(1)で、もう俺は怖くなってすぐ逃げ出しちゃったのね。
(2)すぐ逃げろ!怖すぎるから!
(1)そしたら物陰から急にゾンビ出てきて。
(2)え?
(1)で、たまたまナイフ持ってたからそれで一応倒したのよ。
(2)は?
(1)だけどそこで手間取って後ろからさっきの赤い服の女が追いついてきて。で、その日たまたま満月だったんだけどそれ見てその女が口裂け狼女に変身しちゃったの!
(2)おい冷めるって!
(1)え?
(2)途中まで良かったのになんで急にゾンビが出てきてしかもそれを倒してんだよ!
(1)そりゃ、たまたまナイフ持ってたから。
(2)なんだたまたまナイフ持ってるって。そっちの方が怖えよ。
(1)え?
(2)あとそのあとが大問題だわ。
(1)なにが。
(2)なんで赤い服の女が満月見たら狼人間になってしかも口が裂けてんだよ!出すとしてもせめて狼男にしてくれ!
(1)それはしょうがねえじゃん。
(2)なにがだよ。百歩譲って狼女は許すとして、いつ口が裂けたんだよ!
(1)それは変身する過程で体が膨張するからそこで裂けたんじゃない?知らないけど。
(2)なんでそこだけリアルなんだよ。もうなんか怖い話に有りものの化け物入れてくんなよ。マジ冷めたわ〜。
(1)まあこの話の1番怖いところは、全部作り話っていう所なんですけどね。
(2)いや知ってるわ。